終身雇用制度が崩壊し、一つの企業に勤めあげることが少なくなってきている時代です。転職を選択する人も多く、市場は一昔前よりも活発になっていると言えることでしょう。
しかしそうはいっても、転職はそう簡単に成功できるものではありません。ひとつの企業に勤めあげた方がキャリアを積み重ねやすいですし、職を変えることで必ずしも状況を好転させることができるというわけでもないのです。むしろ、キャリアアップを図りたいのであれば、ひとつの企業に勤めあげた方がうまくいくとすら言えることでしょう。すなわち、転職にはキャリア以外に大きな目的が必要であるということなのです。たとえば、漠然と今の会社に勤めることに不安や不満を抱いて、退職を考えるという人がいるとします。しかし、そういう人はたとえ退職したとしても、その後の再就職活動もなかなかうまくいかないものです。どうして今の会社を辞めたいのか、そしてどうして別の職種で働きたいのか、その点をはっきりさせることが大切なので、そのあたりが漠然としていると失敗しやすくなってしまうのです。
再就職活動においても、どうして前の会社を辞めたのか明確な理由を聞かれるものですし、志望動機にもはっきりとした回答が求められます。その際に、退職理由や志望動機が漠然としたままだと、どうしても不明瞭な答え方をしてしまうものです。まず何がやりたいのか、そしてどうしてそれをしたいのかを明確にすることが大切です。単なる出世のためではない、熱意が必要とされます。